〜はじめに〜
虹の鳥の絵本に続いて
まぁしぃの心がめちゃめちゃ震える大作が遂に生まれました!
やったー!
この文章を読んできっと大切な人の笑顔や真心を思い出すきっかけになると思います!
あの人やこの人に文章をシェアしたらきっと心ほころんでくれるだろうなぁ
時間が空いた時にゆっくり読んでください!
そして大切な人に読んであげてください!
大切な人にプレゼントしてもらえたらとても幸せます!
天に還った大切な友人や家族やペットや物もそこにいなくても
ずっと生きてるんだよと優しく伝えられるプレゼントになったらと思います。
出来たてほやほやです!
この物語で優しい気持ちに包まれますように
感謝ありがとう幸せの連鎖
やまぐちふるさと大使
ラッキー兄妹 マウンテンマウスまぁしぃ
「宇宙桜の木」
あわさんご
「宇宙には、、一年中花を咲かせ続けている「宇宙桜の木」というのがあるのだそうだ。
その木は、いつも満開に花を咲かせ、花びらがひらひらとそれは美しく舞い降りてくるという。
ほら、ちょうどお前と私が座っているこの桜の木のようにじゃ。
見上げてごらん。この満開の桜の木を。見事じゃろう。」
おばあちゃんは、一緒に腰かけている10歳の孫娘に満開の桜の木を
一緒に見上げてにっこりとほほ笑んでみせた。
「へ〜!そんな不思議な木があるの?
ねえ、おばあちゃん、その宇宙桜の木のお話をもっと聞かせて。」
ひらひらと舞い降りるその桜の木の下で、孫娘はおばあちゃんに
ちょっと甘えた顔をして、お話をせがんだ。
「いいとも。話して聞かせてあげよう。
おばあちゃんもおじいちゃんに子どもの頃、聞かされた話じゃよ。
宇宙桜の木というのは、それはそれは美しく大きな桜の木らしいのじゃ。
一年中花をつけ満開に咲き誇り、花びらは舞い降りても
舞い降りても花がなくなることはないそうでな。
その桜の木の根元は、舞い降りた花びらが何層にも重なって、ふ
わふわのピンク色の絨毯の上にいるようでまことに気持ちがいいのだそうだよ。」
「ねえねえ、なんでその桜の木は花が咲き終わらないの?」
「いい質問じゃ。その桜の木はな、どうやらいつも花を満開につけ、
まるでいつもにっこり笑って両手を広げ、誰かを抱きしめていたいように見えるんだそうだよ。」
「へぇ〜、誰かを抱きしめるために咲き続けるなんて、優しい木なんだね。」
「そうじゃなぁ。とても優しい木なんじゃろうなぁ。」
「でも、どうして咲かせ続けることができるの?ふつうお花は、
みんな咲き終わって散っちゃったらなくなっちゃうよ。」
「ほんとじゃなぁ。みんな散ってしまうなぁ。咲かせ続けるためには、
木の内側にいつもたっぷりの花を咲かせるためのものが溢れ出ないと
咲かせ続けることは叶わないじゃろうなぁ。」
「そうだよねぇ〜。溢れ出てなくならないもの・・・。
花を咲かせ続けられるもの・・・。そんなものあるのかなぁ・・・。」
「どうだろうねぇ。お前が誰かに何か、もらい続けたものはあるかい?そして、無くなかったものだよ。」
「う〜んとね〜。う〜んとね〜。あるかなぁ。もらい続けたもの・・・。
無くならなかったもの・・・。う〜〜ん。」
おばあちゃんは、にっこり微笑みながら孫娘が何か思いつくのを見守っている。
「あ!あるよ!おばあちゃん!無くならないもの!
それね、私の中のお母さん。お母さんは、天国に行っちゃったけど、
お母さんの笑った顔はずっと私の中にある!それは消えたことないよ!」
「ほう、お前のお母さんの笑顔かぁ。それは、お前の中で無くならないものなのじゃな。
それは、素晴らしいことじゃよ。ほんとうに。
お前のお母さんも、嬉しかろう。
他にも、何かあるかな?お前がもらい続けているもの。」
「他にも・・・。う〜んとね〜、う〜んとね〜。他にあるかなぁ。」
「あ!ある!ある!ある!
私の命だよ!お父さんが言ったよ。私の命は、お母さんがくれたものなんだよって。
私が生き続けている間、私はお母さんからこの命をもらい続けてる。
それとね!それとね!お父さんがもうひとつ教えてくれた!
お前の命は、お母さんの“愛”なんだよって。お母さんがお父さんに残してくれた愛なんだって!
だから、私が生きているってことは、お母さんの愛がいつもここにあるってことだよ。
だってね、お母さんの愛が私の命だから・・・。
つまり・・・、私がここにいる限りお母さんの愛はいつもここにあってなくならないの!」
「お前は、なんてステキな子じゃの〜。お父さんの大切な話をよく覚えていたものじゃ。
そして、よくそこに気がついてくれた。
そう、お前のお母さんは天国に行った。お前が時々寂しくなって泣いているのを
ばあちゃんも知っているよ。」
「うん。だってね・・・。時々お母さんにとってもとっても会いたくなるの。
もう会えないって思ったら寂しなって悲しくなるんだもん。」
「わかるよ、わかるよ、お前の気持ち。けれど、ちょっと考えてごらん。
お前はさっき、私になんと言った?」
「お母さんの笑った顔は、ずっと消えないで私の中にあるって言った・・・。
私の命はお母さんの命で、それはお母さんの愛だって言ったよ。
あれ!?え〜!!おばあちゃん!うわぁ!
お母さんの笑顔は、消えない。お母さんの愛はずっと一緒!なのに、
私はあんなに寂しがっていたってこと?
私ったら・・・。そっかぁ、そうなのかぁ。ごめんね、お母さん、私ったら。
あっ・・・、これって、満開の花をずっと咲かせ続けてる宇宙桜と同じじゃない?」
「ふっふっふ。わっはっはっは!
そうじゃよ!その宇宙桜の木は、先に天国に行ったお母さんたちが咲かせ続ける木らしい。
お前は、賢い子じゃ。それを自分で気がつきおった。
宇宙桜の木は、愛しいわが子を残して先に天国に還ったお母さんたちが、
“ずっとずっと、私はここにいる。”
“ずっとずっと、あなたへの愛は変わらない。”
一瞬でも一秒でも残した我が子たちに寂しい思いをさせないように、
母の愛を感じれるように、天国に還ったお母さんたちみんなが咲かせ続けているのじゃ。
宇宙桜の木は、お母さんたちの愛の木なんじゃ。お母さんたちが愛しい我が子を
想うその愛が咲かせ続けている。
だから、宇宙桜の木は散り終わることはない。いつも満開なのじゃよ。
宇宙桜の花の色、あれはな、お母さんたちが我が子を愛しく想うお母さんの愛の色なのじゃ。
それが、この優しい薄ピンクの“さくら色”なのじゃよ。
宇宙桜の木は、宇宙のどこかにある大きな大きな木じゃ。
そして、この地上に咲くお前の上にあるこの桜の花はみんな、その宇宙桜の木の分身なのじゃよ。
分身は、一年中咲き続けることはできないが、宇宙桜の木と見えない根っこで繋がり、
お母さんたちの尽きることのない無限の愛を受け取り、春になると花を咲かせる。
だから、この薄ピンクの桜の花は、お前のお母さんの笑い顔。お前のお母さんのお前を
愛し続けているその気持ちが咲かせている。どうじゃ?お前は今、それを感じられるか?」
2人は、桜の木を見上げた。そして、顔を見合わせてにっこりほほ笑んだ。
きらきらの孫娘の瞳は、より一層にその輝きを増している。
「最後に言っておくが、一年中満開に咲くその宇宙桜の木には、まだ誰も会ったことはないそうだよ。
けれどな、確かにあると誰もが知っている。不思議じゃろ。誰も会ったことがないのに、
確かにあるって知っているなんて。なんとも不思議な宇宙桜の木の話じゃ。
私も、私のじいちゃんに聞かされた話じゃ。だから、まだ会ったことはない。
けれどな、なぜだか本当にあるって知っている。今のお前と同じようにな。」
2人はもう一度目を合わせて、クスッと笑った。
2人が腰を上げて桜の木を見上げた時、優しい風が二人を吹き抜け、桜の木に昇った。
満開の桜の木は風にくすぐられ嬉しそうに花をゆすり、花びらをひらひらと二人の上に優しく降り注いだ。
2人は、その桜の木を見上げて、それぞれのお母さんを想っていた。
おしまい♪ あわさんご 作